この巻で、道元は、面白いエピドードを紹介する。
『金剛般若経』を極め、その解説書を著した高僧が、旅の最中に、餅売りの老婆に、点心(おやつ)として餅を所望した。
その老婆は、相手が『金剛般若経』を極めた高僧と知り、次のように問いかける。
「そのお経に、過去心不可得、現在心不可得、未来心不可得とあるが、いまあなたが点じようとしている心は、どの心か?」
その高僧は、この老婆の問いに、答えることができなかった。
道元は、このエピソードを通じて、仏の教えは、決して書物を通しては、習得できないということを示している。
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